◇松野仁貞のワールドリポート

 写真=REUTERS


 WHO(世界保健機関)の新型コロナウィルス(COVID-19)に対するパンデミック宣言を受けて、IOC(国際オリンピック委員会)は東京オリンピック開催中止に向けて最終調整に入った模様だ。関係者が明らかにした。また複数の外交筋は「日本は新型コロナウィルスの『培養皿』」として、無策の安倍政権が混乱に陥れている日本の現状に対して強い懸念と嫌悪を示した。

 IOCはこれまで、東京オリンピックの開催に関しては、WHOの勧告を受けて決断するとの意向を表明。「日本からの執拗な働きかけ」(関係筋)が続いていたため、公式には開催のスタンスを保持してきた。

 一方で、関係者によると、IOC内部では早い段階から開催を危険視する声が多数を占めており、最近では「WHOの判断待ち」(同筋)の状況だったという。

 WHOがパンデミックを宣言したことで、IOC内部では「パンデミック宣言下でのオリンピック開催は非現実的。WHOの開催中止勧告も秒読みに入った」(同筋)との判断から開催中止に向けて最終調整に入った模様だという。

 WHOのテドロス事務局長と中国の習近平国家主席とは親密な関係で、テドロス事務局長は中国への配慮から楽観的な見通しを示してきた。そうした政治的思惑が交錯する中でのパンデミック宣言。IOC内部では「新型コロナウィルスの脅威が想像以上に深刻な事態に直面していることを示している」(関係筋)との認識を共有したという。

 パンデミック宣言に付随してテドロス事務局長は「新型コロナウィルスはコントロール可能」と述べたが、関係者は中国政府への実態の伴わない単なるリップサービスと捉えている。

 開催中止での最終調整について、関係筋は「IOC内部では、オリンピックは4年に一度の祭典で年内はともかく2年後への延期などという判断は論外。さらに延期したとしてもパンデミックがいつ終息するかについては全く予測不可能。こうした中で延期の選択肢はなく無観客開催という選択肢もないとの結論に達した模様だ」と解説する。

 こうした中、新型コロナウィルスに対する何ら有効な対策を打ち出せずに国民を混乱に陥れている安倍政権の現状や予定通りの開催を主張し続ける2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会(森喜朗会長)に対して、複数の在京外交筋は「日本は新型コロナウィルスの『培養皿』」との表現を使って強い懸念と嫌悪を示した。

 日本停泊のクルーズ船で感染が蔓延した状況について、海外メディアはクルーズ船を「ペトリ皿」という表現で報道したが、徹底した検査もせずに東京五輪開催に向けて感染者数をごまかすなどに躍起になっている安倍政権の無策の現状から、在京外交筋は「我々は今や日本がウィルスの培養皿との認識で危機感を募らせている」と語った。

 複数の外交筋は「大使館など日本にある外交施設の閉鎖などが相次ぐ可能性もある」としている。(World Review 編集長 松野仁貞)

 

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