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 大阪開催のG20参加後に訪韓するトランプ米大統領が38度線の非武装地帯を訪問する準備を進めており、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金正恩朝鮮労働党委員長と非武装地帯で会談する可能性が強まってきたという。複数の外交筋が明らかにした。


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 トランプ大統領はG20首脳会議を終えた29日夕にも訪韓。ソウルで一泊2日の日程で、非武装地帯訪問は30日になると見られている。2017年の訪韓時にも非武装地帯訪問が計画されていたが霧や黄砂など気象条件の悪化でヘリコプターの運行が困難となったために中止された経緯がある。外交筋は「今回も米韓当局者が非武装地帯訪問を綿密に調整してきた」と語る。

 別の外交筋によると「 文在寅大統領が同行すると見られており、米韓の首脳が揃って非武装地帯を訪問するのは初めて」という。これまでロナルド・レーガン、ビル・クリントン、バラク・オバマなどの米大統領が非武装地帯を訪問しているがいずれも単独で、韓国大統領は同行していない。

 30日には米韓首脳会談が予定されている。非武装地帯訪問が首脳会談の前後どちらかになるかについては判明していないが、「会談の場所が非武装地帯になる可能性もある」(日韓関係筋)という。

 その際に注目されるのが北朝鮮の動向だ。ハノイでの米朝首脳会談は決裂したが、最近になって米朝首脳間で親書を交換、トランプ大統領は親書について「友好的な内容。我々は良い関係を保っている」とコメント。ポンペオ米国務長官も交渉再開への強い期待を表明した。さらに27日から30日に訪韓するビーガン米国務省北朝鮮担当特別代表も「柔軟なアプローチ」に言及している。

 こうした状況の中で、外交筋は「金正恩委員長が非武装地帯を訪問して米朝首脳会談に臨む可能性も捨てきれない」と分析。「イラン問題が手詰まりの中で、朝鮮半島問題で外交成果を上げることができればトランプ大統領の再選に向けた求心力も高まる」と解説する。

 日韓関係筋は「南北首脳と米国首脳の三者が非武装地帯で顔合わせをすることになれば史上初。会談の内容云々よりも非武装地帯という場所での演出だけで三者三両得だ」との見方を示した。(World Review 編集長 松野仁貞)