◇松野仁貞のワールドリポート

 7月11日から国交のあるカリブ海の4か国を歴訪する中華民国(台湾)の蔡英文総統=写真 Taiwan Presidential Office =が、経由地米国に計4日間滞在することが明らかになった。これまでは台湾の米国訪問団は24時間以内に米国から出国しなければならなかったが今回は異例の措置。中国と関係が悪化している米国による対中けん制の一環とみられているが、米国滞在中には蔡英文総統とトランプ政権要人との会談が予定されているという。



 台湾外交部(外務省)の曹立傑次長が1日、明らかにしたところによると、4か国歴訪の日程は11日から22日まで12日間で、訪問国は台湾と外交関係を結ぶハイチ、セントビンセント・グレナディーン、セントルシア、セントクリストファー・ネービスの4カ国。 蔡総統の米国での滞在は往路の11日から13日はニューヨーク、復路はコロラド州デンバーで2泊する予定という。

 関係筋によると、台湾の米国訪問団はこれまで24時間以内に米国を出国する慣例になっており、今回の計4日間の滞在は極めて異例という。同筋は「中国との関係が悪化する米国による対中けん制の思惑とみられるが、米国による台湾の国家承認も視野に入れた動きを注視する必要がある」と語っている。

 今年に入ってからは、米国の台湾接近が加速。米国防総省が公式報告書の中で台湾を「国家」と明記したのをはじめ、今月に入ってからは 米下院情報特別委員会が来年1月に予定されている台湾総統選への中国の干渉阻止を促す法案を可決した。

 また米国務省国際機構局のジョナサン・ムーア次官補代理が、台湾の国際機関参加を支持する米国の立場を改めて表明した。 国際民間航空機関(ICAO)や国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)などの総会への参加を後押しするとしており、今年9月開かれる3年に1度のICAO総会や毎年開催されるICPO総会のほかにも、台湾が国際的に貢献できるその他の組織への参加を全力を挙げてサポートするとした。

 こうした流れのなかでの蔡英文総統の異例の米国滞在。外交筋は「滞在中にトランプ政権の要人と会談する可能性が濃厚」としたうえで、「中国側の反発が懸念される」としている。(World Review 編集長 松野仁貞)