燃やされ消される「原発事故対応」。行政文書が福島県内自治体で続々廃棄処分。

福島県や県内市町村で、2011年3月に発生した福島第一原発事故以降の行政文書が保管期限を迎え、続々と廃棄処分されている事が分かった。行政文書は、原子力発電所の爆発事故という未曽有の事態に県や市町村がどのような対応を迫られたかを後世に伝える重要な資料となり得るが、既に大量の文書が焼却処分されている。

<今週の福島第一>3号機プールで機器故障相次ぐ

 東京電力福島第一原発では17日、3号機の使用済み核燃料プールで燃料取扱機が故障した。核燃料を持ち上げる装置を動かす水圧ホースの継ぎ手が外れた。21日には別のクレーンも故障。ただ、この日午後3時前に未使用核燃料7体を共用プールに搬出し、7月中に予定していた未使用核燃料21体の移送を終えた。機器の修理、点検を進め、9月に取り出しを再開する。 
 また、1号機の原子炉格納容器上部にあるコンクリート製ふた(直径12メートル、重さ約520トン)の調査を始めた。遠隔操作のロボットを使い、8月上旬まで続ける。建屋最上階の床面にある3枚重ねのふたは事故の影響で、一番下はずれ落ち、上2段は持ち上がった状況になっている。 

【解説・福島第二原発廃炉】核燃料、廃棄物行き先ないまま

 東京電力が表明した福島第二原発の廃炉では、カギとなる数字が二つある。 
 一つは「1万76体」。福島第二全4基の使用済み核燃料プールで保管する核燃料の数だ。小早川智明社長は「廃炉完了までに県外に全て搬出する」と福島県知事に明言した。プールよりも安全性が比較的高い貯蔵施設を新たに建設してひとまずは保管するというが、搬出先は「今後の検討」とするにとどめた。 
 使用済み核燃料は国の核燃料サイクル計画で、再処理後に再利用する前提。だが、再処理工場は稼働が見通せず、どこの原発も搬出できないでいる。福島第二の敷地での永続的な保管となる懸念は消えない。 
 もう一つは「5万トン超」。東電が廃炉で出ると見積もる放射性廃棄物の量だ。放射能汚染の程度が低いものは再利用が見込まれるが、大半は埋設処分の必要がある。この場所も決まっておらず、廃炉後に大量のごみが現地に残りかねない。 
 東電は福島第一原発の事故収束という極めて難しい作業を抱え、経営再建中でもある。人と資金に余裕はない。そんな中で、小早川社長は2800億円かかるという福島第二の廃炉に「めどがついた」と言い切った。空手形は許されない。(小川慎一)

8月から福島第一原発で排気筒解体、猛暑・台風 不安山積み

 東京電力福島第一原発で8月初め、1、2号機建屋のそばにある排気筒(高さ約120メートル)の解体が始まる。複数の損傷が見つかった筒を、大型クレーンで上から切断装置をつるして半分に切る前例のない困難な作業。東電は来年3月までに終えたいとしているが、猛暑や台風の影響も受けかねず、作業員から不安の声が漏れる。(片山夏子、小川慎一)

「復興、見える場所ばかり」原発事故被災の福島・楢葉町

.....町民からは「土地を売りたい」という声が多いという。農業再開を断念した町民にとっては、田んぼや畑が不要となった。だが、買い手が見つからない。「値下げしても厳しい。『放射能を浴びている土地には価値がない』と言われたこともある」と明かす。

.....アユを釣っても、山菜を採っても、食べられない。放射能汚染が続いている。「子や孫に水道水を飲ませられるかといわれれば、なかなかできない」。水は全てペットボトル。目に見えぬ不安を抱える人は決して珍しくはない。

..... 参院選が公示した7月4日、安倍晋三首相は浜通り地域ではなく、福島市内で「福島の復興なくして日本の再生はない」と声を上げた。だが、新妻さんは「復興が進んでいるのは、車が通る国道沿いの見える場所ばかりだ」と憤る。 
 国道から離れると、空き家と草が伸びた更地が目立つ。国道沿いも帰還困難区域には廃虚が残ったまま。来春、東京五輪の聖火リレーのランナーが楢葉町にあるサッカー施設「Jヴィレッジ」から出発し、原発事故の被災地を走る。コースはまだ決まっていないが、新妻さんは言った。 
 「荒れた土地を見せたくないのが国策かな。でも、放射線量が高くて人が走れない所があるのを世界中に知らせないと」

制御しきれぬ福島第一 汚染水の水位下がらず理由も不明

​【朝日新聞】

 東京電力福島第一原発の汚染水対策が難航している。原子炉建屋などの地下にたまる高濃度汚染水はなお約1万8千トン。計画通りに減らせていない場所もある。安倍晋三首相は2013年9月の東京五輪招致演説で「状況はコントロールされている」と言い切ったが、開幕まで1年を切った今も、現場は汚染水を制御しきれていない。

 「見通しが立っているのか、お手上げなのか、示して欲しい」

 廃炉の進捗(しんちょく)を監視する原子力規制委員会の6月の検討会で、伴信彦委員は東電の担当者にいらだちをぶつけた。3号機の原子炉建屋地下階の一部エリアで計画通り水位が下がらない状態が2カ月も続いているのに、原因についてあいまいな説明に終始したからだ。