自分も周りも心地良い、

​気が利いてる所作が「粋」

【美感遊創 vol.203 より】
 「粋」ということばは時代によって、地域によって、人によっても捉え方が違うのではないかと思います。「おしゃれ」「かっこいい」という意味で使う場合もあるでしょうし、威勢のいい様子を「粋」と捉える方もいらっしゃるかもしれません。
 私自身は「粋」というものを「気が利いている」所作と思っているんです。服装はもちろん、しぐさ、ふるまい・・・いろいろなことがその場にふさわしく、的確であること。それこそがまさに「気が利いている」所作であり、そういう人をみると「粋だね」と思うのです。
「竺仙」(ちくせん)五代目当主 小川文男氏
写真:竺仙ホームページより
「美感遊創」はサントリーウエルネス発行の雑誌です。

「大人がいない国」室井佑月氏(作家)

【週刊朝日】
..... かつて、田中角栄氏は、憲法9条を盾に、泥沼化するベトナム戦争への派兵要請を断った。それはつまり自分が盾になり、米国と戦う覚悟だったということだ。
 そんな大人は少なくなった。この国は、見た目は大人の、グロテスクな子どもばかり。ちゃんと大人になろうじゃないか。
写真:室井氏Twitter @YuzukiMuroi

室井佑月「芸人と企業と政治家」

【週刊朝日】
.....そして芸人の謝罪した嘘について記者たちが痛罵するならば、安倍首相がこれまでついたあまたの嘘に対し、なぜ彼らは追及しないのだと思った。それこそ謝罪に追い込むほど追及するのが、本来のマスコミの仕事だ。マスコミの意味や意義はそこ。
 政治と芸人の話は別だという人がいるが、そうじゃない。報道している会社はおなじ。芸人たちに時間を割くということは、本来報道せねばならぬなにかの時間を減らすということだ。
 そういえば、松尾貴史さんが投票日前Twitterで、「黙っていることは『中立』ではなく『加担』であり『共犯』だ」といっていた。​
写真:室井氏Twitter @YuzukiMuroi

「NO JAPAN」ではなく「NO安倍」

賢明で成熟した対応を

【ハンギョレ新聞社説】

.....一部で行われている過度な対応や荒唐無稽な行動は非常に残念だ。

両国の衝突が長期化すると予想される状況で、今からでも「NO JAPAN」ではなく「NO安倍」に焦点を合わせるなど、賢明で成熟した対応を模索する必要があるとみられる。

.....「安倍政権に反対する日本の良心的市民が、日本内で影響力を持つよう、韓国でも支持し連帯することが重要だ」という市民団体代表の発言に耳を傾けるべきだ。このため、韓国市民の活動も「日本に対する反対」ではなく、「安倍政権に対する批判」でなければならないという主張も十分説得力がある。

[原爆の日]被爆国の役割を果たせ

【沖縄タイムス社説】 

 核兵器禁止条約は、核兵器を非合法化した初めての国際条約で、その前文には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と記されている。

 しかし唯一の戦争被爆国である日本は、核保有国が反対している条約は現実的でないとし、会議にも参加せず、署名も拒み続けている。

 米国のオバマ前大統領が在任中に「核の先制不使用」を検討した際、「核の傘」に依存する日本などが反対し議論が立ち消えになったことが明かされている。

 日本は核保有国と非保有国の間の「橋渡し役」を自任しているが、禁止条約にも加わらず、核軍縮では自らブレーキを踏み、トランプ政権の核政策に異を唱えることもしない。

 これで被爆国としての役割を果たしているといえるのか。

裁判記録の廃棄 公的な財産の認識欠く

【信濃毎日新聞社】 

 裁判所が自衛隊について明確な憲法判断を示したことが一度だけある。ミサイル基地建設をめぐる長沼ナイキ訴訟で札幌地裁が1973年に出した違憲判決だ。その後、司法は憲法判断を避けるようになった。
 憲法に関わる戦後の裁判を振り返るとき、見落とせない判決である。ところが、この裁判の記録は既に廃棄されたという。歴史的な損失と言うほかない。
 これ以外にも、重要な憲法判断が示された民事訴訟の多くで裁判記録が失われていることが共同通信の調査で分かった。中学生の思想信条の自由が論じられた内申書訴訟や、米軍用地をめぐる沖縄の代理署名訴訟も含まれる。

[愛知芸術祭 企画展中止]脅迫こそ批判すべきだ

【沖縄タイムス社説】

.....開幕から2日間で抗議の電話やメールは計約1400件に上ったという。主催する実行委会長の大村秀章愛知県知事は「テロや脅迫ともとれる抗議があり、安全な運営が危ぶまれる状況だ」と説明。「ガソリン携行缶を持って(会場の)美術館に行く」と、京都アニメーション放火殺人事件を連想させる内容のファクスも届いたという。

 抗議の半数が平和の少女像に関するもので、泥沼化に陥っている日韓関係が影響しているとみられる。

 表現の自由は民主主義を支える基盤だ。意見の違いを尊重し合うのが民主主義社会のあるべき姿である。

 暴力的な言葉を投げつけ、企画展を中止に追い込むのは卑劣極まりない。とうてい許されるものではない。

.....自由な表現活動を抗議や脅迫から守るのが本来の行政や政治家の責務である。

 逆に会長代行の河村たかし名古屋市長は企画展の視察後、大村知事に抗議文を出し、少女像などの展示中止を求めた。政治的圧力である。

 芸術祭は文化庁の補助事業で、菅義偉官房長官は慎重に判断する考えを示した。憲法の「検閲は、これをしてはならない」に反しかねない。菅氏はテロ予告や抗議に対してこそ強く批判すべきである。

三鷹事件 歴史の闇に封じ込めるな

【信濃毎日新聞社説】

 直接の証拠は本人の自白しかない上、変遷を重ねている。傍証の目撃証言も不確かだ。戦後の混乱期、社会を揺さぶった事件は不可解さを幾重にも残す。
 70年前、占領下の1949年7月に起きた三鷹事件である。獄死した竹内景助・元死刑囚(長野市松代町出身)の遺族による再審の申し立てを東京高裁が棄却した。納得しがたい判断だ。

..... 国鉄総裁が死亡した下山事件は迷宮入りし、東北本線で列車が転覆した松川事件は長い裁判を経て共産党員ら全員が無罪になった。3事件で有罪が確定したのは竹内元死刑囚ただ一人である。
 本人が起こした再審請求が獄死によって打ち切られてから半世紀余。今回の第2次請求でも再審の扉は閉ざされたままだ。
 事件をめぐっては裁判所も占領当局の圧力の下にあったと指摘されている。事実の解明を尽くしたとは言えない裁判をやり直すことは司法の責任でもある。真相を歴史の闇に眠らせてはならない。 

萩生田氏の発言 政権のおごりが透ける

【信濃毎日新聞社説】

安倍晋三首相の悲願である改憲を巡り、側近議員の前のめりな姿勢が改めて浮き彫りになった。
 自民党の萩生田光一幹事長代行の発言である。論議が停滞するなら衆院議長を代える必要があるとの認識を示した。議論を妨げているのは誰なのか。丁寧な合意づくりを軽視して強引に進めようとする首相や側近らの言動こそ問題である。

.....賛否が大きく割れる項目を国民投票にかけることになれば、社会に深刻な分断を生む。与野党の幅広い合意なしに発議へ突き進むことがあってはならない。自民は各党と腰を据え、憲法論議を深められる環境を整えるべきだ。
 世論調査では依然、安倍首相の下での改憲に半数以上が反対している。内閣が優先して取り組むべき課題として「憲法改正」を挙げる人は少ない。民意を的確にくみ取り、改憲ありきの姿勢を改める必要がある。 

米軍機低空飛行 地方が連帯するしかない

​【信濃毎日新聞社説】

政府は70年代まで、日米間で合意した区域の外で米軍の演習は認められないとの立場だった。それが奈良県での事故後、国会答弁で一部飛行訓練について「訓練空域が安保条約や地位協定に具体的に書いてなければ行動できない、とは考えない」と解釈を広げた。

 さらに99年に公表した日米合同委員会の合意では、低空飛行を「不可欠な訓練」と容認し、米軍は安全性を最大限確保し、住民への影響を最小限にする―とした。最低高度は航空法と同じ基準を用いている―としながら、国内法の順守義務は取り決めなかった。

 欧州では事故などを機に国内法を守らせる仕組みに変えている。なぜ日本ではこれほど米軍に配慮し、訓練情報の事前把握や検証の仕組みを整えないのか。奈良県の事故後も低空飛行中の墜落事故などは各地で起きている。

米軍事故対応指針 地位協定の抜本改定迫れ

【琉球新報社説】 

 提供施設外で起きた事故の現場に立ち入るのに、どうして米国の同意が必要なのか。主権の行使に消極的な政府の姿勢に、落胆を禁じ得ない。

 日米両政府が、基地の外で発生した米軍機事故の現場対応に関する「ガイドライン(指針)」を巡り、日本の警察や消防が現場に速やかに立ち入ることができるよう改定することで合意した。ただし、立ち入りに日米相互の同意が必要なのは従来と変わりない。絶対的な主導権を握っているのは依然として米国だ。
 米国との間で地位協定を結ぶ他国で米軍機事故が起きたときの状況はどうか。県の調査によると、ドイツでは自国が現場の安全を保持し、調査委員会にも入った。イタリアでは現地の検察が証拠品を押収するなど、主体的に捜査している。両国とも、原則として米軍に国内法が適用される。日本では逆に、国内法を適用しないのが原則だ。
 第2次大戦の敗戦国という立場は同じだが、戦後の米国との向き合い方には雲泥の差がある。

7.21参院選 首相の会見 声を聞き間違えている

​【信濃毎日新聞社説】

。。。自民党の獲得議席数は57議席で、改選過半数を下回っている。非改選を合わせても113議席で、単独過半数を下回った。この状況で、なぜ「議論すべき」が国民の審判になるのか。
 公明の山口那津男代表もきのうのテレビ番組で「議論すべきだと受け取るのは少し強引だ」と述べている。有権者の声を聞き間違えてはならない。
 首相の認識にも問題がある。会見で「(国民投票にかける)案を議論するのは国会議員の責任」と強調したことだ。
 憲法では、首相や閣僚、国会議員が憲法を尊重し擁護する義務を負う。改憲の議論を国会に義務づける条文は存在しない。首相は自らの信条に基づく改憲を国会に押しつけてはならない。。。

<2019参院選>きょう投票 未来につながる選択を

​【北海道新聞社説】

。。。​今回改選される参院議員は、安倍首相が政権復帰して初めて行われた国政選挙で当選した。

 任期が第2次以降の安倍政権とほぼ重なるだけに、候補者や、候補が所属する政党が政権とどう向き合ってきたかが問われる。

 「安倍1強」の下、政権に不都合な事実を覆い隠すような公文書の隠蔽(いんぺい)や改ざんが行われ、参院を含む国会の形骸化が進む。行政監視の機能を取り戻す必要がある。

 安倍首相は「違憲論争に終止符を打つため、憲法に自衛隊を明記していく」と繰り返し、改憲を最大の争点に掲げる。

 権力を縛るはずの憲法について、為政者自らがそのくびきを外すかのごとく改定を声高に叫ぶのは、やはり違和感が拭えない。

 改憲は国民の代表である国会が発議するもので、そこに投票で意思を投影するのは有権者であることを忘れてはならない。。。

7.21参院選 きょう投票 意思示す機会を生かそう

​【信濃毎日新聞社説】

 参院選の投票日を迎えた。安倍晋三首相の政権運営を是とするか否か。国民の代表としての6年間の任期を誰に託すか。有権者として意思を示す時だ。

​。。。1票を投じたところで大勢に影響はない、誰が当選しても同じこと…。そんなふうに考える人がいるなら、もう一度考えてみてほしい。暮らしに直結する政治課題は山積している。無関心でいられることではないはずだ。。。

。。。安倍首相による「1強」政治の下、国会の現状は心もとない。政府の方針を追認し、数の力で押し切る光景が当たり前のように繰り返されている。
 行政監視の役割を果たすよう目を光らせたい。政治に緊張感を生むためにも多くの人が選挙権を行使することが大事になる。

【参院選あなたの声から】政治家の質下がった? 小泉氏以降に変化

​【西日本新聞】

。。。九州大の出水薫教授(政治学)は、政治家の発言スタイルの変化を挙げる。01年、反対派を「抵抗勢力」と呼んだ小泉純一郎首相(当時)の登場以降、敵味方を分けて相手をおとしめるスタイルが浸透したとみる。17年の東京都議選で安倍首相がやじを飛ばした聴衆に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言したのは典型例という。

​。。。一方、ネット上で炎上した発言をメディアが後追いして報じるケースもある。出水教授は「言うべきでないことを言った者がかえって注目を集めるような報道と、相手をさらし者にする発言スタイルが響き合い、悪循環に陥っている可能性もある」と懸念する。

「真実」政府ひた隠し 実質賃金の伸び率、年金財政 参院選

​【西日本新聞】

 参院選では、消費税増税や年金など社会保障制度の在り方が大きな焦点となっている。ところが、政府はその現状や将来予測を示す実質賃金(参考値)の伸び率や公的年金の「財政検証」を公表せずに選挙戦に突入した。有権者は政策の是非を判断する「事実」を知らされぬまま1票を投じることになるため、識者からは政府の姿勢を問題視する声が上がっている。

若い世代の選択 わかりやすさに用心を

​【信濃毎日新聞社説】

。。。「決められる政治」は、裏返せば「対話しない政治」と言える。現政権の「決め方」は荒っぽい。不利な問題は野党が審議を求めても応じず、重要案件も短い審議で「機は熟した」と採決を強行する。野党も与党の弱点を突く戦術ばかりになっている。異なる意見と向き合って対話する政治は、安倍政権の6年半で失われた。
 「1強だから激しい時代の変化に即応できるのでは」。そんな見方もあるだろう。でも、対応がいくらスピーディーでも中身が稚拙なら、事態をむしろ悪化させてしまう。
 参院選は衆院選と異なり、政権を選択する選挙ではないが、政治の進め方が変わる可能性はある。今の政治を加速させるのか、減速させるのか。そこがポイントだ。

 。。。 若い世代に提案したい。まずは「生きやすい暮らし」を想像してみよう。現実に何が足りないのかを考え、政党や候補者の主張を吟味する。その上で1票を投じてほしい。 

英語民間試験 今ならまだ立ち止まれる

 【信濃毎日新聞社説】

 大学入試センター試験に代わる共通テストの実施まで1年半。英語で活用する民間試験からTOEICが外れることになった。実施団体が取り下げた。
 ほかの民間試験も詳しい日程や会場が固まっていないところが目立つ。試験の運営に関する協定も締結できていない。導入の日程ありきで急ごしらえした制度のほころびがあらわになっている。
 大学側の姿勢も慎重だ。国立大の4割は民間試験の成績を合否の判定に使わない。北海道大、東北大、京都工芸繊維大の3校は、一定の成績を出願資格にすることを含め一切使わないと決めた。
 入試で最も大事な公平性や公正さを欠くとの判断からだ。国立大以外でも岩手県立大や岡山県立大が、いったんは利用するとした方針を撤回している。

’19参院選、日米安保 地方の負担に目向けよ

 【中国新聞社説】

 イラン沖での日本船籍のタンカー攻撃を受け、米軍はきのう民間船舶の安全確保のため、各国による有志連合を結成する考えを示した。日本は安易に「イエス」と言うべきではない。

 トランプ氏は大阪で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)後の会見で、安保条約を「不公平」と述べた。実際はどうだろう。不公平というなら日本側にも言い分はある。日米地位協定は米軍基地への立ち入りが制限されるなど、ドイツやイタリアに比べ主権が守られているとは言い難いからだ。

改憲論議 国民は求めているのか

 【信濃毎日新聞社説】

 参院選が公示され、各党や候補者は17日間の選挙戦に入った。争点の一つに挙げられるのが、改憲に対する考え方である。
 「国会議員としての責任を果たして議論する政党を選ぶのか、責任を果たさず審議を全くしない政党を選ぶのか」。自民党総裁の安倍晋三首相は第一声で改憲の審議に応じない野党を批判した。
 選挙が終わったら、結果を都合よく解釈して議論を加速させる考えなのだろう。
 改憲は国民の意思に沿うものなのか。国や社会の在り方に関わる問題である。自衛隊明記を掲げる自民をはじめ、各党の訴えに耳を澄まし、吟味したい。

天皇の政治利用 憲法を脅かす首相の行動

【信濃毎日新聞社説】

 日本国憲法上、天皇は国民統合の象徴であり、国政に関する権能を有しない。当然、政府は天皇を政治利用するのは謹むべきだ。
 代替わりに伴う一連の行事などで、安倍晋三首相がその原則を脅かす行動を続けている。代替わりや改元に対する祝賀ムードを、政権浮揚につなげる意図があれば憲法違反の疑いが強い。政府は襟を正すべきである。